2012年10月2日火曜日

登山道のルート探索とデータの充実

山行計画では、登る対象の山を決めることはもちろんですが、登山口、登山コース、景色、難易度、宿泊地等々を総合的に判断して計画を立てることになります。
その中でも登山コースは重要です。目的地は山頂であっても、登山中に費やす時間のほとんどは登山道を歩くことだからです。
登りたい山の候補と、登山コースの検討は、登山の計画段階で切り離すことができません。

クチコミTIMの地図では、登山道の情報をデータベース化しています。
コースごとに、名称やコースタイムと簡単な説明を登録しています。ルートの種類として「一般ルート」「バリエーションルート」「冬季ルート」「廃道」「沢登り」の5種類に分類し、必要な体力(平坦路・乗り物、軽い、標準、急登・長距離、大変厳しい)と技術(登山装備不要、初級・子供向け、標準、難所・鎖場・岩場、高度な技術・装備・危険)を5段階で表現しています。

この登山道データを活用して、ルート探索ができるようにしています。出発地と到着地の山のスポットを指定するだけで、ルートを自動探索します。
ルート内のコースタイムと距離を積算して表示しますので、一日の行動可能範囲を検討するのに役立ちます。

最短距離と最短時間を探索できますが、実際は途中で山小屋に宿泊する等、最短ルートを通るとは限りません。そこで、複数の経由地を加味したルート探索を行うことができます。

山のスポットを結ぶ登山道は、その区間の標高の推移をグラフ化できます。
ルート探索した出発地から到着地までの全行程の標高の推移もグラフ化することができます。

グラフに視覚化することで、標高の変化を分かりやすくしています。

クチコミTIMではGoogleマップ、Yahoo!地図、電子国土地図という3種類の地図を随時切り替えながら使えるため、それぞれの地図の利点を活用することができます。例えば、Googleマップでは航空写真を使えますし、Yahoo!地図では地形の起伏が見やすい配色地図が使えます。電子国土地図では等高線で描かれた地形図を使えます。

山頂や山小屋、水場等の要所が山のスポットとして登録されていますので、それらは登山コースの選定における情報源となることが期待できます。さらに各山のスポットのページを参照すれば、クチコミをはじめとした個別の詳細な情報を確認することも容易です。

地図はそのまま印刷することができますので、実際の山行で携帯したり、登山届に添付する等して利用できます。
 
クチコミTIMの地図と登山道について解説動画を作成していますので、具体的なイメージを知りたい方は以下をご覧ください。
地図
登山道


登山道の情報がとても役に立つことは分かるのですが、問題は登山道の情報の充実です。
現状においては北アルプスと南アルプスの主要なルートのみ入力されていて、まだ本格的に活用できる状態とは言えません。
登山道の情報が生きてくるためには、十分な登山道情報が必要で、そのためにはクチコミTIMメンバーひとりひとりが、通ったことのあるルートを少しずつ入力していくことが必要です。
登山道の入力を行うことは、ITのリテラシーがある程度必要な作業です。
それは、ペイントソフトやフォトレタッチ等の画像編集ソフトウェアを使うかのように、地図上をポイントして登山道ルートの線を描く作業です。単に二点間を結ぶ折れ線を引くだけですので、画像編集ソフトウェア等の使用経験のある方からすると、とても簡単なことに思えるかもしれませんが、それでも現実はそれができる方というのは極めて少数であることを認めざるを得ません。
ピクセル単位とまでは言いませんが、マウスを緻密に動かして、登山道を構成する点の位置を微調整するというのは、一般の方がするのは絶望的に困難なことです。
少々偏見地味ていることを承知の上で申し上げますと、登山者というのは、一般的に年齢層が高いのと、どちらかと言えば体力勝負や感覚的なことの性格が強いレジャーでして、知的な趣味とは異なるように思います。その点からも、ITに対するリテラシーの平均値は少なめになるのではないかと思っています。

それでもクチコミTIMに登山道の編集機能を実装したのは、登山において登山コースの情報が不可欠なのは分かっていることだからです。
登山道情報が充実し、インターネットで手軽に使えるようになれば、山行計画にとても便利になるでしょう。
実現化の可能性が絶望的にないことを承知の上で作成したのは、そうした夢を見てのことです。

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